南天堂店主の毎日

地球と一緒に、健康に暮らそう。

農業は食べる人がつくる⭐️

農的な生活をするようになると、

お天気が気になります。

それとても、人間の身勝手というものなんでしょうが、

畑に植えた植物たちの生育が氣になります。

 

最終的には刈り取って食べてしまうんですが。

生命を頂かないと生きていけないのがこの星のルール。

ベジタリアンだって、草木の恵みを頂いて生きています。
(私は何でも食べますが)

 

食べることを罪悪だと考えてしまうと、

自分の存在そのものが罪悪になってしまう。

 

地球というひとつの生命体の中で、

循環する細胞のひとつであれば、

自分もその循環の中で生まれ、やがては消えていき、

次の生命のために利用されるのを喜びと思うと、

また毎日頂くものがありがたく、

自分自身のいのちも有り難く思えてきます。

 

お早うございます。

雨を眺めながら、いつになく厳粛な氣持ちになっている、

南天堂店主のピリカさんです。

 

最近は、サツマイモの苗を植えるアルバイトをぽつぽつしています。

70代の親方がひとりで何町ものサツマイモ畑を作っています。

一町は100m×100mくらいです。
とんでもなく広い。


作業はかなりの重労働です。
近所の女性たちが数人雇われてきています。

私は人が足りなくて困っているからと頼まれたんですが、

いつものメンバーは全員わたくしよりご高齢です。

中には90歳ちかい方も。

 

阿蘇へ来てから、農作業のバイトはたくさんしました。

季節労働ですね。

このような巨大な農業だと、同じ動作を延々と続ける過酷な作業です。

若い人は都市に出て農村は高齢者の世界。

植えるのも収穫も、人手が足りません。

初めてやったのは大根引き(収穫)で、
なかなか抜けない大根を必死で引っ張って、

コンテナに積み込み、トラックに運ぶのですが、

私は持ち上げることができなかった。

肥料の空き袋に詰めて、引きずっていきます。

とてもきつい。

農業ってこんなの毎日するのか?!と、

びっくりしました。

3日やったら高熱が出て、2日休むのです。

手足がジンジンして、体中が痛む。

作業が終わったら、温泉に浸かってカチコチになったカラダをほぐします。

 

ある日のこと、

「ここのキャベツをいくらでも持っていって良いよ」

と言われました。

「これからこの畑をキャベツごと潰すから」

というのです。

キャベツが取れ過ぎて、安くなって、

市場に出しても箱代の方が高くなっちゃうから、

出せば出すほど赤字になる。

だからもう出荷は諦めて、潰しちゃうのだそう。

ええ〜〜〜!と、びっくりしました。

 

親方も辛そうでしたが、

農業とはそういうものだそうです。

 

それが、私たちの生きてる経済世界なのです。

 

ピーマン畑に手伝いに行った時は、

ピーマンについた小さな点を探す仕事をしました。

カメムシのかじったあとらしいのですが、

出荷して市場に行き、スーパーに並んだ時に、

その小さな点が大きくなってひとつでも腐っていたら、

お客さんからクレームがきて、

その農家のピーマンはランクが落とされ、

すべての箱の値段が下がってしまいます。

ピカピカのピーマンでも、ちいさな点を見つけたら、

はねて廃棄します。

山のようなピーマンの廃棄から少しもらって帰っていました。

美味しいピーマンでした。

遠くまで輸送する間に傷んでしまうのでしょうね。

農薬をビャンビャンかけていましたよ。

使いたくないですよ、農家さんも。

そこの家の奥さまは、がんを患って入院されていました。

 

大根もそうでした。

虫食いの筋が付いていたら捨てます。

食べられるのに。

農薬は嫌だと言いながら、虫食いがあったら買わないのがお客さん。

売れないと食べていけないので、農薬使います。

 

無農薬の農業では、大量生産はできません。

何百万人の食を支えるのは、重労働と農薬や化学肥料、

そして何千万円もする農機具なのであります。

それらを支える人たちの思い。

その人たちのこと考えたら、

涙が出てきた。

そんな苦労をして作ってくれた米や野菜を食べて、

わたしら大きくなった。

便利な都会に暮らして、土の匂いも知らず。

申し訳ない。

ほんとうにありがたい。

思わず、手を合わせてしまいました。

みんなよかれと思って、

一生懸命仕事しているのです。

 

農業が、

やりがいがあり、健康で豊かで、

みんながやりたい仕事だったら。

農村は過疎になることもなく、

後継者もお嫁さんもバンバン来るでしょう。

でも、そうではないようです…。

 

苦しむ農村を顧みることなく、

人ごとのように、思いやることもせず、

ひいては自分の首を絞めるとも知らず、

様々な利権に腐敗する政治を許してきた私たち消費者(国民)が、

じわじわと今の状態をつくったといえるんじゃないでしょうか。

 

草がどんどん生えてくる畑。

みんなが飢えないための農業。

日本の飢餓、外国の飢餓。

人々の過酷な労働。

その反面で肥満に苦しむ人々。

捨てられる食料。

 

自分で種を蒔いてみると色々見えてくる。

お天気や草、それを狙うイノシシや鹿たちと、

闘う?

日照りや雨が続いたら?

草がボウボウ生えたらどうする?

種をカラスがほじり、芽を鹿が食べ、

やっとのことで実った作物をイノシシちゃんが食べ尽くすなら?

 

どうすんだ?!

自問自答。

 

農業が衰退し、自分で自分の食料を作らない人がほとんどのこの国で、

気候変動、災害、パンデミック世界恐慌国際紛争

食料の輸入が途絶えたとしたら?

その時初めて、人ごとでなくなる?

遅いかもよ…。

 

今だって、ずっと前から、世界中に。

その日を生きるのが精一杯の人たちがいることも。

私たちの美味しいお菓子のために奴隷になっている人々のこと。

 

どうする????

 

この「お題」を前に、私は何を考える?

『美しき緑の星』という映画を観ましたか?

 

ガチゴチのこのバビロン社会が、

今、骨組みが揺らいでいるとしたら…。

 

今こそ、この社会を考え直すときですね!

畑が教えてくれる、色々なこと。

最近、青空の下で、

考えております。

 

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絶景の中、延々と苗を植える。

 

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萎びているけど大丈夫。

芋は強し。

 

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里山には自然がいっぱい。

生き物たちが一緒に暮らす。

 

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手入れする人が居なくて、

荒れてる竹林。

でも、光が入れば豊かになる。

山椒や、エビネの群生地もあるよ。